白血病が判明してから
入院までの数日間のこと
前回からの続きになります。
***
上司らに報告しその場を出たのが18時過ぎ。
50分ほどの帰宅路、まともな神経でいるわけでなく、ちゃんと運転できたのかどうかも怪しい…
ほぼほぼ記憶がない。
うっすら覚えているのが、途中、夫に電話をし、中学1年生の娘になんて話すか、夫婦でズレないよう話を合わせたこと。
今日のところは、驚かせ過ぎないように「白血病という病気で1ヶ月検査入院」にしとこうか、と。
夕方、娘には「遅くなるからカップラーメンを食べといてね〜」と電話。
「やったぁ!」
我が家はカップラーメンは滅多に食べないスペシャル食で、娘は大喜びなのです。
帰宅したら、大好きなカップ焼きそばを食べたようで、上機嫌の娘がTVを観ていました。
夫も帰宅し、とりあえず何か食べようとカップ麺をすする… 私は発泡酒も一本、いつも通りに。
白血病告知の夕食がカップ麺だなんて、なんだか我が家らしいというか…
TVの区切りがついた娘に
「大事な話があるから座って」と呼びました。
娘へ話した内容は、
「お母さんは白血病という病気になったから、いろいろ検査や治療をして、1ヶ月くらい入院して9月くらいには退院かなぁ、その先はまだわからないんだけどね。」
と、曖昧に、ぼやかして、長く入院することは伏せました。
「2日の午後に入院するから、神戸旅行はキャンセルなの」
娘はまだよくわからないのか、涙も流さず、話を聞いていました。
「1ヶ月なんだ、あ〜あ、旅行もないし、夏休みなのにお母さんいないなんて…」
「もう中学生だから自分のことは自分でできるしね。大丈夫、ほぼ夏休み中だしね、あっという間だよ」
あっという間。
1ヶ月なんてあっという間。
過ぎてしまえば7ヶ月の闘病期間だって…
あっという間
?
いやいや、そんなわけはない。
娘へは「単身赴任みたいなもんだよ、女性が単身赴任パターンねー、ハハハ」と、努めて深刻にならないよう話しました。
娘が中学生になったのを境に、母子一緒に寝なくなったのですが、「今日はお母さんと一緒の部屋で寝る?」と問うと、
「別にいい、一人で寝る」
最近始まってきたいつもの塩対応…
夫と土日の予定を話す間、病気の内容が書かれた紙を娘も読んでいました。
「明日明後日は入院の準備で忙しいよー。買い物ね、パジャマやタオルや、いろいろあるなぁ。荷物まとめたり、午後は仕事場を片付けてくるわ。やることいっぱいだぁ〜!」
だから、みんな、寝よ寝よ、はよ寝よ。
10時前には私と夫も「今日は早く休もうか」とそれぞれの寝室へ行きました。
***
結局、
この日ついた嘘は、翌日夜には本当のことを話すことになって。やはり嘘を突き通すのは私が耐え難くなったのと、入院直前の主治医との面談に娘も同席することにしたため、本当のことを話そうとなりました。
翌日の夜に話したことで、かえってダメージが大きくなったのか、現実がわかってきたのか、娘は号泣!
いったん2階の自室で寝ようとした娘、でも数分後に布団を持って、私が寝る和室へ降りてきて、
「今日からお母さんと一緒に寝るー」
ぴったりくっつけた布団に入り、私の方へ擦り寄ってきて、
シクシクシク
そのうち
2人して
わーんわーん
幼な子のように泣きました。
娘を抱きしめながら。
わーんわーん
「お母さん、死なないんだよね?」
「大丈夫、治る病気だよ」
「ほんとに?」
「ほんとだよ」
「お母さん、お母さん、あのね」
布団の中で泣き止むことない娘。
「お母さん、あのね、どうしよう…
夏休みの課題がいっぱいあって、どうしたらいいかわかんないの!」
わーんわーん泣きじゃくり。
えっ?
課題?
それでこんなに泣いてるの?
聞いたら、娘は私の入院で悲しいのだけど、なにより、夏休み中の大量の課題をどうしていいかわからず、夏休み入ってからずっと不安で、でも弱音をはけなくて、悩んでいたらしい。
それで大泣きしていたのか
あー、だけど、今、私に吐き出せて良かった。
「わかった。明日午前中に夏休みの課題ね、一緒に計画立てようね。大丈夫、大丈夫、まだ明日1日あるから!」
娘、安心したのか、なんなのか、泣きながら眠りにつきました。
娘が幼少期に作った
「日赤から帰るお母さんとわたし」
食物アレルギー治療のため、何度も通った日赤。
まさか、私の病気で一緒に行くことになるなんて…
中学一年…
まだまだ子どもなんだよね。
ついこないだまでランドセルしょってたんだもんなぁ。
県立中高一貫校に合格して、やれやれ、私の役目は終わったと一安心していたけれど、まだまだ支えてあげることがある。
中学入ったからって、すぐに手なんて離せない。
よしっ!
明日は娘の不安を取り除くことを1番に時間を使おう!
翌日、スーパー家庭教師並みの教育ママになって、娘のいう大量の課題とやらを聞き出したら…
何コレ?
こりゃ本当に泣きたくなるわ!
病むわ!
続きます。
長いブログを読んでくださりありがとうございます。
もうちょっとだけ当時のことを振り返って、ここに残しておきたいと思います。